国民健康保険に加入した後、他の健康保険に加入すると、保険料が給料天引きになります。
しかし国民健康保険から保険の切り替えを行うときによくあるのが、保険の解約忘れで国民健康保険料を二重払いしているパターンです。
もちろん国民健康保険に加入している期間は、保険料を支払う義務はありますが、既に他の保険証を利用している以上払いすぎた保険料は変換してほしいですよね。
きちんと手続きすれば、払いすぎた国民健康保険料の返金を受けられますが、市役所の説明だとよくわからなかったという方も多いはず。
今回は国民健康保険の二重払い・過払があったときの、返金手続きの流れや注意点について解説していきます。
目次
前提!国民健康保険は脱退手続きしないと保険料の2重支払状態になる
前提として、国民健康保険は脱退手続きをしないと、保険料の二重支払い状態になります。
通常企業間で転職した際には、自動的に健康保険が切り替わります。
しかし国民健康保険は、住民票のある地域で加入申請をして保障を得ます。
自治体は皆さんの職業情報については把握していませんので、転職などで国民健康保険から他の健康保険に切り替わったことも知らないのです。
つまり脱退手続きがされていないと、既に支払った保険料がそのまま徴収されるだけでなく、今後も保険料の請求が来ます。
一括で国民健康保険料を払っていると過払に
国民健康保険料は支払い方法を毎月支払いか、年間保険料を一括で支払うかを選択できます。
仮に12月に一括で支払っていて、3月に国民健康保険を切り替えた場合、残りの4月~11月分の保険料は過払として計上されます。
国民健康保険料は、他の健保と同様に、前年の所得に応じて保険料が計算されるシステムです。
ひと月あたり、年収によっては1万円以上支払うこともあるので、返還手続きをしないと損になります。
国民健康保険料は資格喪失日の前月まで支払う必要がある
国民健康保険料は、保険の資格喪失日の前月まで支払う必要があります。
保険の資格喪失日とは、国民健康保険から他の健康保険に切り替えた日の翌日になります。
つまり4月1日に他の健康保険に加入した場合には、4月2日が国民健康保険の資格喪失日です。
国民健康保険料のシステム上、資格喪失日の前月まで保険料が発生する仕組みになっています。
上の例でいうと、資格喪失日が4月2日ですので、国民健康保険料は3月分までは支払う必要があることになります。
一括払いをしたときも同様で、資格喪失日に応じて支払う保険料が計上されます。
還付手続きの前に国民健康保険の脱退手続きをしよう
「やばい!国民健康保険料返ってくるなら還付手続きしなきゃ!」と焦ってしまう人は多いです。
しかし還付手続きの前に、国民健康保険の脱退手続きをしないと、還付手続きはできません。
国民健康保険の脱退手続きは、窓口での対応と郵送での対応に分かれています。
窓口では以下の書類が必要になります。
- 新しい健康保険証
- 国民健康保険証
- 世帯主と脱退者のマイナンバーカードor通知カード
- 写真付きの公的証明書(運転免許証、パスポート等)
郵送では、以下の書類が必要になります。
- 新しい健康保険証のコピー
- 国民健康保険証
- 世帯主と脱退者のマイナンバーカードor通知カードのコピー
- 国民健康保険脱退届出書
国民健康保険脱退届出書は、各自治体の公式HPからpdf形式でダウンロード可能です。
わからないことがあれば、各自治体の国保・年金課に問い合わせてみましょう。
国民健康保険の二重払い・過払分の還付手続きの流れ
国民健康保険野二重払い・過払分の還付手続きの流れは、以下の流れに沿って行われます。
- 国保の脱退後月末に保険料の再計算
- 1週間で保険料額通知書が届く
- 過払があれば還付通知書が届く
- 過払分の振り込み
過払分があった場合、保険料振込の方法によって手元に還付金が来るまでの流れが変わります。
保険料を口座に振り込んでいた場合
国民健康保険に加入する際に、保険料を口座振替にしていた場合には、還付金は自動で口座に振り込まれます。
国民健康保険の脱退手続きをして還付額があれば、口座に返金されます。
保険料を口座以外で支払っていた場合
国民健康保険の保険料を指定用紙でコンビニ支払いをしていた場合には、口座登録が必要になります。
脱退手続きをし、還付金がある場合には還付通知書とともに、口座の申請書が届きます。
普段使っている銀行口座を記入し、返送用封筒に入れて返送しましょう。
切手は自分で購入する必要があるので、忘れないようにしましょう。
二重払い・過払分が振り込まれるまでは1か月程度かかる
国民健康保険の脱退・二重払い・過払分が振り込まれるまでは、1か月程度かかります。
返送してすぐに支払われるかと勘違いして、振り込まれないことに不安を感じてしまうかもしれません。
実際に国民健康保険の切り替え後、保険料が振り込まれるまで1か月近くかかりました。
国民健康保険料の二重払い・過払分を請求するときの注意点
国民健康保険料の二重払い・過払分を請求するときには、以下の注意点を把握しておきましょう。
- 振込後の通知は行われない
- 脱退後2年を経過すると時効
- 還付通知書が届くまで時間がかかる
- 家族で脱退するならまとめて手続きが必要
振込後の通知は行われない
還付金の申請後、振り込みが完了した通知は地方自治体からは行われません。
振り込みがされたかを確認するには、口座を適宜確認する必要があります。
振り込まれていないと思っていても、実は口座には入っていたなんてこともありますので、定期的な記帳は欠かさないようにしましょう。
脱退後2年を経過すると時効
国民健康保険を脱退後、2年を経過すると還付金は時効となり申請できなくなります。
それまで脱退手続きを忘れることはほぼないでしょうが、時効制度があるため手続きを先延ばしにしていると、損をすることになります。
また口座登録をいつまでも行わない場合も同様に、時効になる可能性があります。
還付通知書が届くまで時間がかかる
国民健康保険の脱退手続きをしてから、還付通知書が届くまでは、時間がかかります。
保険料の再計算を申請のあった月末に行い、通知書が届くシステムです。
過払分の保険料の振り込みまで考慮すると、すべての手続きが完了するまで2か月近くかかります。
家族で脱退するならまとめて手続きが必要
家族を扶養している人が脱退するのであれば、扶養家族分をまとめて手続きする必要があります。
上述した通り、脱退する人すべての国民健康保険証と各種証明書類を提出して、漏れなく手続きをしましょう。
手続きをきちんとして払いすぎた国民健康保険料を取り戻そう
いかがでしたか?
国民健康保険は他の健康保険に切り替えたからと言って、自動的に保険を脱退できません。
各自治体に脱退届を提出する必要がありますので、きちんと忘れずに手続きをしましょう。
また国民健康保険で過払や二重支払いがあった場合には、保険料の再計算後に自治体から保険料の還付をうけられます。
指定の書類を記入し、支払いすぎた分をきちんと取り戻しましょう。
今回紹介したのは一般的な知識ですので、各自治体によって書類形式が異なる場合もあります。
不明点があれば、自治体の国保・年金窓口に連絡してみましょうね。