「傷害保険」と「医療保険」の違いを正しく理解していますか?
両方とも良く耳にしますが、どのような違いがあるか理解せずに加入している人もいるようです。両者ともケガを補償するものという点においては同じですが、補償範囲などに違いがあります。
そこで今回は2つの違いについて解説します。
目次
傷害保険と医療保険の4つの違い
「傷害保険」と「医療保険」この二つは、ケガの補償という観点では同じですが、補償範囲など4つの違いがあります。
それらを完璧に理解している人は少ないのではないでしょうか。
4つの違いは、健康告知義務の有無・ケガのみの手術や入院に対応の可否・保険料・死亡保障です。それぞれを詳しく見ていきましょう。
健康告知の義務があるかないか
医療保険に加入する場合に、健康告知義務があるのをご存じでしょうか。
これは加入する際に過去の病歴の告知が義務付けられており、健康状態によっては加入を断られてしまうことがあります。
また虚偽の告知をすると給付が受けられない事態になり正しく告知をしなければなりません。
しかし傷害保険の場合には、健康状態の制限がなく持病があっても加入することができます。
持病があり医療保険の加入が厳しい人でもケガの補償であれば、傷害保険でカバーをすることができます。
ケガのみに対応できるか手術や入院に対応できるか
医療保険は、基本的に病気やケガによる入院や手術に対して給付金が支払われ、通院に対しては特約などをつけないと対象にならないことが多いです。
一方で傷害保険は急激・偶然・外来のケガの通院・入院に対しても給付を受けることができます。
しかし急激・偶然・外来という条件の時にしか傷害保険の給付を受けることができないので、持病の悪化などのケガでは給付の対象外となります。
傷害保険の対象となる条件とは
- 急激:昔のケガが原因での痛みの発生などは、急激として該当しません。ケガの原因から痛みの発生までに時間がかからない場合を急激とします。
- 偶然:予想できないケガのことを偶然としています。交通事故などが該当します。予測できるような事故のリスクが高いケガについては対象外とされる可能性があります。
- 外来:元々持っている持病が原因でのケガは補償されません。例えば、持病に貧血があり貧血で倒れた際に頭を打ったなどのケガは対象外とされます。
ケガの原因が自分の身体以外ということです。
この3つのいずれかに該当した時の場合のみ、傷害保険が対象とあるので注意が必要です。
保険料が一定か条件によって値上がりするか
医療保険は加入者の健康状態や年齢、性別などにより保険料を決める仕組みです。
そのため、年齢が高い人や持病のある人ほど保険料が高くなる傾向にあります。
一方で傷害保険では、先ほどもお話しましたが、健康告知義務がないため年齢や性別、健康状態による保険料の差はありません。
しかし危険を伴う職業だと保険料が高くあります。
危険を伴う職業は、建設業・バスやタクシーなどの運転の多い職業・船や航空・農林漁業などが当てはまります。
ケガをしやすい職業であると判断されると、保険料が高くなることを知っておきましょう。
死亡保険金が出るか
傷害保険は、ケガが原因で死亡した場合のみ死亡保険金が給付されます。
交通事故などの不慮の事故で死亡または高度障害が残ってしまった場合に、補償を受けることができますが、持病の悪化などの死亡では給付を受けることができません。
しかし医療保険では病気やケガでの死亡に保険金が支払われるため、もしもの時により安心できるという人が多いです。
傷害保険と医療保険の違いについてお話してきました。
ケガの補償という点では同じように見えますが、傷害保険はあくまでも急激・偶然・外来のいずれかを満たしたケガの場合のみに支払われます。
そのため、不慮の事故に備えるという位置づけをしている人も多いでしょう。
また健康告知義務がないので、持病があって医療保険に加入が難しいけど交通事故などに備えたいという人は加入することをおすすめします。
医療保険へ加入すべき人の特徴
ここからは医療保険に加入するべき人の特徴についてお話していきます。
傷害保険と医療保険の違いについては理解したけど、どちらに加入するべきなのか、医療保険はどういうときに必要なのか?と疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。
医療保険は、ケガだけでなく病気に対しても補償がきくので、将来の健康不安がある人や先進医療の保障が必要だと感じている人、入院に必要な費用を確保しておきたい人は医療保険に加入するべきだと考えます。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
将来の健康不安がある人
今現在健康であっても、将来的にどのような病気やケガを予測できる人はなかなかいませんよね。
しかし健康に対して不安を感じているという人は、医療保険に加入しておくべきと言えます。
医療保険は健康告知義務があるため、病気やケガのあとに加入することが難しくなってしまいます。
ですので、将来の健康不安がある方は医療保険で、万が一の入院や手術に備えておきましょう。
先進医療の保障を付けておきたい人
ガンや高度障害を負った時に、先進医療を選択肢に入れたいと考える人が多いですが、受けるためには多額の資金が必要となります。
その時のために先進医療の保障をつけておきたいという人にも医療保険はおすすめです。
日々進歩する先進医療に対応するためにも、保障をつけて万が一にも対応できるようにしておきたい人は、医療保険に加入して備えておくことが大切です。
入院費用を確保しておきたい人
病気やケガでの入院・手術には、高額医療費制度などがありますが入院は医療以外にもお金がかかります。
食事代や室料などは高額医療の対象外となるので、1回の入院が長期になってしまうとたくさんのお金が必要となります。
医療保険に加入しておくことで給付金が支払われ、入院雑費に充てることも可能です。
入院費をなるべく確保しておきたいという人は、医療保険への加入を検討しましょう。
このように医療保険は、入院や手術に対しての保障が充実しているものが多く、予測しづらい病気やケガにも対応するための備えたいという人が加入するべき保険です。
入院や手術には多くのお金がかかりますが、その時のために自分で貯めておくというのはなかなか難しいことです。
もしもに備えて医療保険に加入しておくことをおすすめします。
傷害保険に加入すべき人の特徴
次に傷害保険に加入するべき人の特徴についてお話します。
傷害保険は急激・偶然・外来のいずれかに該当した場合に補償の対象となるというお話はしましたが、その特性に当てはまりやすい人ほど加入するべきと言えます。
具体的には、ケガをしやすい人・スポーツなどが趣味な人・旅行を検討している人です。
傷害保険はケガを補償するものであり、病気には対応していないことを理解しておきましょう。それぞれを詳しくお話していきます。
ケガをしやすい人
職業や生活スタイルによっては、ケガのリスクが高いという人もいます。
そういう人は傷害保険に加入しておきましょう。
先ほど、傷害保険は職業により保険料が高くなるというお話をしましたが、ケガのリスクの高い職業の人は加入しておくほうがベターと言えるでしょう。
小さなケガでも通院で補償が出るので、小さな子どもがいる人も加入しておくことをおすすめします。
スポーツなどを趣味でやっている人
スポーツなどの趣味がある人も加入しておくほうが良い特徴の人です。
ケガのしやすい対人プレーの多い競技の人は特に加入をおすすめします。
またお年寄りや子どもでスポーツをしている人も加入しておくべきです。
しかしクライミングなどケガのリスクの高いスポーツだと補償の対象外となることもあるので最初に確認しておく必要があります。
旅行を検討している人
クレジットカードの付帯保険として、旅行の傷害保険が付帯している場合があります。
特に海外旅行の場合、日本の健康保険を利用することができないのでケガをした場合に病院にかかるとたくさんのお金がかかることもあり、金銭的な負担が大きくなります。
また海外でケガした場合、言葉が通じないなどどうすればよいかわからない状態になってしまうこともありますが、クレジットカードや保険会社によっては24時間電話対応してくれるサービスがあるので、安心できます。
旅行特に海外に行く予定のある人は、傷害保険を検討してみてください。
傷害保険は、ケガにのみ補償が効くのでケガのリスクが高い状況の人は加入するべき保険と言えます。
小さな子どもやお年寄り、ケガのリスクの高い職業の人や趣味を持っている人。
さらには旅行に行く予定がある人など、様々な突発的なケガリスクがある人は傷害保険で安心を買っておきましょう。
傷害保険と医療保険の違いを理解して上手に使い分けよう
今回は「傷害保険」と「医療保険」の違いについてお話してきました。
この2つは似ているようで、全くの別物と考えてよいでしょう。
違いをしっかりと理解してより必要な方、場合によっては両方に加入する必要があるかもしれません。
普段は医療保険に加入しておき、海外旅行やスポーツをする機会があるときに傷害保険に加入するなどうまい使い分けが必要です。
また子どもなど、普段からケガしやすい人は早くから傷害保険に加入しておくことで、万が一にも安心できるのではないでしょうか。
まずは、傷害保険と医療保険の違いをしっかりと理解しておきましょう!