「簡単な手術なので、今済ませてしまいましょう」と入院なく、日帰りで手術を受けられることもありますよね。
術後安静にしていれば入院の必要が無いと、仕事に支障も出ないので安心ですが、医療保険に加入している場合手術給付金が受け取れるか気になりますよね。
せっかく加入しているのであれば、医療保険を活用して保険金を受け取りたいところです。
しかし手術=入院のイメージがありますから、入院していないと給付金が受け取れないんじゃないかと不安になるかもしれません。
この記事では日帰り手術を受けた場合でも、医療保険に給付金を請求できるのかを解説しています。
また日帰り入院の場合にも、給付金を請求できるのかも解説しています。
目次
最近では手術でも入院を必要としない場合が多い
医療の発達により入院せずとも、手術を受けられるようになりました。
大腸ポリープや上肢骨折、鼠経ヘルニアなど、過去は数日~1週間程度の入院が必要だった症例でも、病院によっては受けた当日に帰宅できるようになっています。
もちろん大事をとって入院をすすめられることもありますが、患者の希望や術後の介護者の有無によって、日帰り手術を選択できるのです。
日帰り手術だと保険金を受け取れる可能性がある
結論、日帰り手術の場合、医療保険に手術給付金を申請すれば受給できる可能性があります。
上述した通り、最近の医療の発達により、入院不要の手術が増えています。
医療保険でも、日帰り手術に対応できる保障内容を備えた商品が、続々と発売されています。
ただし加入時期や保険会社の方針によっては、日帰り手術が受給対象として認められないこともあります。
申請する前に、保険会社のコールセンターに問い合わせて、受給対象として認められるかを確認しておきましょう。
自己判断で請求しないと損になる可能性も
よくあるのが「大腸ポリープの日帰り手術をうけたけど、申請する必要が無いと思って」と保険会社に申告しないパターンです。
自己判断で請求しないと、受け取れる機会をふいにしてしまいます。
手術を受ける前に、手術がどんな種類なのか、保険金の支払いが認められるかを聞いておくのもいいでしょう。
保険会社の公式HPでは、支払い事例が公開されているので、気になる方は確認してみると良いでしょう。
日帰り手術の給付対象について紹介
日帰り手術を受ける方で、給付の対象になるケースとならないケースがあります。
保険会社や保険の種類によっても変わりますが、そのようなケースもあると覚えておくのも大切です。
受け取れる場合に申請しないと損をしてしまうため、事前に把握をしておきましょう。
対象になるケース
給付対象となる手術の定義は、「病院または診療所において、治療を目的として、器具を用いて生体に切断、摘除などの操作を加えること」とされています。
メスなどを使用する手術や摘出により、病気やケガを回復させる場合が当てはまります。
白内障の手術やポリープ手術などは、給付の対象となる可能性があるでしょう。
注意点として、保険に加入した時期により、対象になる手術か対象外か分かれる場合があります。
現在は給付の対象になっている手術でも、契約時の対象ケースが適用されるため、約款等を確認しておきましょう。
対象にならないケース
対象にならないケースは以下のようなものが当てはまります。
- 治療が目的ではない手術
- 同時に複数の手術を受けた場合
- 軽微な手術
治療が目的ではない手術とは、美容整形のような審美を目的とした手術が対象外になります。
手術の原因が、病気やケガではないのがポイントです。
同時に複数の手術をした場合、どちらか一方の給付金額が高い方のみが適用されます。
そのため、もう一方の手術による給付は受けられません。
軽微な手術は受けた手術が、保険会社が定めた給付の対象になる手術名に入っていないケースになります。
給付の対象になる手術名は、事前に保険約款を確認しておきましょう。
これら以外にも、本来は給付対象になりますが、給付を受けられないケースも存在します。
加入時の健康状態が保険会社の定めた基準に当てはまらないと判断された場合、特別条件が適用されます。
特別条件とは、健康状態の程度に応じて、指定された体の部位や疾患に対しての給付金が発生しないのを指します。
特別条件の期間が決められている場合もあるため、確認が必要になるでしょう。
日帰り入院は保険会社によって対応が異なる
医療機関に問い合わせて、手術後の処置が「入院」に該当することもあります。
日帰り手術に分類される場合、給付金が受け取れるかは保険会社によって対応が異なります。
手術をともなう日帰り入院であれば、手術給付金を需給してもらえる可能性はあります。
ただし入院費用を日額で保障してくれる「入院給付金」は、保険会社の約款の記載によって支払いを断られる可能性もあるんです。
冒頭でも紹介したように、最近では手術を受けても当日中に退院できるケースも増えています。
しかし医療保険の約款に「入院給付金が支給開始になるの2日目以降」と、日帰り入院が含まれていない場合は、保険金の支払い対象としては認められません。
日帰り入院を判断するポイント
保険会社の約款に日帰り入院も保障対象と記載されていても、以下のポイントに当てはまらない場合は、保険会社から支給を断られてしまう可能性があります。
- 入院基本料が領収書に記載されている
- 入院日と退院日が同じ
- 入院設備のある設備か
以下で詳しく解説していきます。
入院基本料が領収書に記載されている
病院が発行している領収書に、入院基本料の記載があれば、保険会社に入院として認めてもらえる可能性が高いです。
日帰り入院をする場合は、よほどのことがない限り公的な健康保険制度を活用します。
受診したあとに窓口で受け取れる領収書には、受けた治療ごとに診療報酬が設定されています。
診療報酬に入院基本料の記載があれば、保険会社側も日帰り入院が行われていたことが判断できるので、給付金の手続きを進められます。
入院日と退院日が同じ
日帰り入院は入院日と退院日が同じである必要があります。
入院日と退院日が異なる場合には、通常の入院として扱われます。
通常の入院の場合は、通常通り保険会社に連絡して、給付金の請求手続きを行いましょう。
また入院日と退院日の記載がない場合は、通院として認められてしまうこともありますので、注意が必要です。
入院設備のある施設か
入院設備の整っている施設でないと、入院として認められない場合があります。
20人以上入院できる設備がある病院や、国や自治体から特別に認められたクリニック・診療所のみが対象になります。
小規模な病院や、手術設備があるかを、医療機関の窓口で問い合わせておきましょう。
注意!手術後にベッドに寝ているだけでは入院にはならない
「手術後に病院のベッドで休んだし、日帰り入院に該当するんじゃないの?」と思う方は結構多いです。
手術後にベッドに寝ているだけでは、入院としては認められません。
術後の休養としてベッドに寝かされている場合などは、保険金の受け取り対象にはなりませんので、注意が必要です。
日帰り手術の給付金を請求する方法
実際に日帰り手術を受ける場合、給付金をどのようにすれば受け取れるかと疑問に思う方もいるでしょう。
保険会社へWEBサイトから申請する方法と、書類や電話で申請する方法があります。
それぞれの詳細を説明していきます。
WEBサイトから行う
WEBサイトから給付金の申請が可能な保険会社もあります。
保険金や給付金の申請ページを確認しましょう。
必要書類をそろえておけば、データで送るのが可能です。
すべてWEB上で完了するため、書類などの郵送の手間がいりません。
書類を郵送する時間もないため、WEBサイトで手続きする方が給付金を早く受け取れるでしょう。
保険の種類によっては、WEBサイトから請求ができる保険会社でも、書類を郵送しなければならないケースもあるため注意が必要です。
書類の提出や電話で行う
給付金の請求は電話でも可能で、問い合わせ窓口が設けられています。
ただし、必要書類を自宅に郵送してもらうか、WEBサイトから自分でダウンロードしてそろえる手順も必要になります。
用意した書類を保険会社へ郵送する手続きも必要です。
電話で問い合わせると、窓口のスタッフに手順の確認ができるでしょう。
受付時間が決まっているため、時間によっては電話がつながらず待機する可能性があります。
電話をする前に、加入中の保険証券番号を控えておくとスムーズに対応してもらえるでしょう。
医療保険の給付手続きに気をつけるポイント
給付手続きを行いたい方は以下の内容に注意が必要です。
- 手術名や病名の正式名称を確認する
- 申請に必要な診断書は有料
- 保険会社へ提出する書類に必要な内容が記載されているか
- 請求できる期限が決まっている
事前に保険会社へ確認を取る場合、自分が治療する病名や手術名の名称を正しく伝えないと、対象となるか確認できない場合があるので、病院へ忘れずに確認をしておきましょう。
病院からもらえる診断書は、給付金の申請に必要ですが、有料になります。
病院に問い合わせしてみると、料金の目安がわかるでしょう。
病院でもらえる領収書や診療明細書に、診療報酬または金額が書かれているか、入院日と退院日の記載があるか確認します。
入院日と退院日の記載は、日帰りで手術を受けたかを判断する基準になります。
保険の給付金を申請できる期間は、支払いが生じた日の翌日から3年以内であれば、申請が可能です。
申請を忘れていた方も保険会社に確認してみると、給付対象になる可能性があるでしょう。
自己判断せずに病院や保険会社に問い合わせて給付金を受け取ろう
いかがでしたか?
日帰り手術を受けた場合は、基本的には医療保険の手術給付金の受け取り対象になります。
しかし手術後に一定の措置を受けた場合に、日帰り入院として認められて入院給付金を受け取れるかは、保険会社の判断によります。
保険会社の約款に、日帰り入院も入院給付金の支払い対象になると記載されており、請求書に入院基本料の記載があれば、給付金を受け取れる可能性があります。
ただし上記すべてを自己判断で「給付されない」と申請しないままだと、せっかくの保険が無駄になってしまいます。
少しでも支払い対象になる可能性があれば、医療機関や保険会社に確認して、手続きを進めていきましょう。