一つのバイトだけではなく複数のバイトを掛け持ちして働こうと考えている皆さん、働きすぎた時の社会保険がどうなるのか気になってはいませんか?
バイトは働き先によっては自分の希望通りにシフトが組めずに、思ったよりも働けないこともあります。
バイトを掛け持ちしてダブルワークをすることで、収入は格段に増えますが基準の金額を超えると、加入している社会保険から抜けなくてはいけないこともあります。
特に現在学生の方や旦那さんの稼ぎだけでは不安だからと、パートで働いている方にとっては死活問題です。
社会保険から抜けると自分で加入しなくてはならず、結果保険料負担が多くなってしまい、収入が増えても微々たるものになってしまうことがあります。
実は年収130万円を超えてしまうと、自身で社会保険に加入しなくてはならない決まりがあるんです。
今回はバイトを掛け持ちしたい方向けに、社会保険の脱退条件や注意点を徹底的に解説していきます。
目次
社会保険とは
社会保険とは以下の4つが該当し、生活する上でのリスクに対応できる、政府や自治体が提供する保険のことを指します。
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 介護保険
- 雇用保険
以下で詳しく解説していきます。
健康保険
健康保険は、病院に行って治療や施術を受けた時に、窓口での費用負担が3割にまで減らせる制度のことです。
企業に勤める方は健康保険組合に所属し、健康保険証を受け取ります。
家族が健康保険組合に所属している場合には、一定基準のもとでその家族も同様に健康保険証が配られます。
一方で自営業者や扶養に入っていない場合には、自治体にて国民健康保険に加入する必要があります。
健康保険は大きく分けて3種類!違いと見分けるポイントを解説します
厚生年金保険
厚生年金保険は国民全員に加入が義務付けられている保険の一つです。
企業に勤めている場合には企業で厚生年金に加入し、無職や自営業者の場合は国民年金保険に加入する必要があります。
公務員は共済年金に加入することになります。
将来年老いた時に年金としてもらえるので、支払わないと将来自分が困ることになります。
介護保険
介護保険は高齢者の介護サービスを社会全体で支えることを目的に作られました。
指定された要介護状態に認定されたときに、申請して認可を受けられば、福祉サービスの援助を受けられます。
受けられるサービスは在宅か施設かを選択でき、1割負担で利用できます。
雇用保険
雇用保険は仕事を辞めた時に受け取れる失業給付金のために、加入が必要な社会保険です。
会社の都合で退職した場合は即時に受給が開始され、自己都合で退職した場合は3か月間開くことになります。
企業に勤めている方のみ加入できる保険ですので、広義の社会保険とは異なるため、注意が必要です。
バイトを掛け持ちすると年収に応じて社会保険の加入が必要になる
冒頭でもお伝えした通り、バイトを掛け持ちすると年収に応じて社会保険の加入が必要になります。
扶養に入ってバイトをしているだけなら、年収130万円を超えた時点で、他に雇用先があって副業として働いているなら特に影響はでません。
以下で詳しく解説していきます。
扶養に入ってバイトだけしているなら年130万円
親や配偶者の扶養に入ってバイトをしているだけなら、年収130万円を超えると社会保険から外れることになります。
年に一回、扶養先の企業で家族の収入確認が行われます。
源泉徴収票を確認して、年収が高いと判断されると自動的に外される仕組みです。
しかし日本では国民皆保険制度を導入していますから、扶養から外されたとしても健康保険と年金保険には加入する必要があります。
万が一扶養から外れてしまった場合には、扶養先からもらえる健康保険資格者喪失証をもって、近くの役場で国民健康保険の加入手続きを行いましょう。
また国民年金の切り替えも必要になります。
条件によってはバイト先の社会保険に加入できる場合もある
下記の条件を満たせばバイト先の社会保険に加入できる可能性があります。
[1]国、地方公共団体または法人の事業所、あるいは[2]一定の業種(※)であり常時5人以上を雇用する個人事業所では強制適用となっており、適用事業所で働く労働者は加入者となります(パート、アルバイトでも、1日または1週間の労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者の分の4分の3以上
ただし学生の場合は例外となるので、国民健康保険や国民年金保険の加入手続きを行いましょう。
正社員の副業で働いているなら特に関係はない
正社員として雇用先があり、副業として掛け持ちバイトをしているのであれば、年間に稼ぐ金額がどれだけ多くても特に問題はありません。
雇用先の社会保険の加入条件さえ満たしていれば、途中で脱退することもありませんので安心です。
ただし企業で副業禁止にもかかわらずバイトを掛け持ちしていると、社内規定違反になり解雇される可能性もあります。
解雇された場合は自分で社会保険に加入する必要がありますので、事前に社内規定や社内の過去の事例を確認しておきましょう。
バイトを掛け持ちすると納税の問題も出てくる
バイトを掛け持ちして出てくるのは社会保険だけではなく、納税の問題も出てきます。
以下で詳しく解説していきます。
バイトのみの収入で年収103万円を超えると所得税がかかる
バイトのみの収入で年収103万円以上になると、所得税が課せられることになります。
一般的によく言う103万円の壁です。
103万円の壁を越えた分に対して所得税が加算されていきますので、稼いだ分は所得税が適用されて差し引かれていきます。
よく103万を超えると扶養が外れると言いますが、厳密にいうと税金のことなので、最大130万円までなら十分に働けます。
学生なら親の税金が高くなる
学生のバイトで103万円を超えてしまった場合には、親の税金が高くなる可能性があります。
103万円を超えると税金計算上で扶養されていた枠から外れることになるため、扶養控除をうけていた親の税金が高くなります。
ただし勤労学生控除の制度を利用すれば、年間130万円まで非課税になるシステムもあります。
扶養控除等申告書の勤労学生の項目に〇をつければOKです。
ただし複数のバイトを掛け持ちしていると、年末調整ができるのは一つのところだけですので、掛け持ち先のバイトの分と合算して勤労控除を受けたい場合には、自分で掛け持ち先の分を確定申告する必要があります。
確定申告は2月から3月の間に実施される、自営業者や個人事業主の鬱イベントともいわれるほど、手続きが面倒な作業です。
学生が行うのにはかなりの労力がいりますから、大人と相談しながらすすめましょう。
バイトのみの収入で地域の規定の金額を超えると住民税がかかる
バイトのみの収入で地域の指定している金額を超えると、住民税がかかります。
住民税は自治体の公共サービスを受けるために支払う税金ですから、地域ごとに金額が異なります。
例えば東京の場合は、100万円を超えると住民税が適用されます。
一般的に93万から100万円の間が限度額になりますから、超えてしまうと翌年から金額に応じて住民税が課税されます。
注意!正社員がダブルワークをすると会社に副業がバレる可能性がある
正社員はダブルワークをしても社会保険から外れることはありませんが、ダブルワークをすることで会社に副業がバレる可能性がありまあす。
上述した通り正社員は企業から主な収入を得ていますから、年末調整は会社側で実施してくれます。
主に収入がある人は副業で年間20万円までなら、所得を税務署に申告する必要はありません。
しかし限度額を超えてしまうと、税務署にて確定申告を行わないと、脱税になってしまいます。
確定申告をすると年末調整分と所得が合算されますので、金額によっては所得税が高くなることもあります。
企業の担当者に所得税が給与に比べて高いことがバレると、副業を疑われることになります。
扶養を抜けて社会保険に加入していないと起こるリスク
扶養を抜けても社会保険料を自分で払いたくないからと、社会保険に加入していないと、下記のリスクが発生します。
病気になっても医療費が全額自己負担
万が一病気になったとしても医療費は全額自己負担になります。
実際に社会保険にずっと加入しておらず、あまりにも体調が悪く受診し、がんが発覚したものの全額自己負担で利用をうけた人も周りにいます。
医療費は普段窓口の負担が3割になっているので実感はできませんが、実は高額なサービスなのです。
病気の程度が重いと医療費がさらにかかるので、デメリットしかありません。
さかのぼって2年まで請求される
社会保険の加入をしておらず、保険料の未納が発覚すると2年前にさかのぼって全額支払うことになります。
健康保険から年金まで幅広い金額を納入することになるので、手痛い負担になります。
面倒くさがらずに加入しておいて、あとから公開することのないようにしましょう。
国民健康保険の未加入で過料や差し押さえに!未加入のデメリットを解説
バイトの掛け持ちでも社会保険加入条件を確認してサービスを有効活用しよう
バイトの掛け持ちを行っていると、所得に応じて扶養から外れて自分で社会保険に加入しなければなりません。
上限金額を確認して、うっかり超えてしまうことのないようにしましょう。
万が一バイトの掛け持ちで社会保険から外れてしまったら、きちんと自治体で加入手続きを進めていきましょう。