退去費用が高くて払えないときの対策法!払わないとどうなる?

退去費用が高くて払えないときの対策法!払わないとどうなる?

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賃貸に住んでいると数年に一回、引っ越しを検討する方も多いでしょう。

引っ越し時には入居時と同じ状態に戻すために、原状回復費用を含む退去費用を請求されます。

不動産業者や大家さんによっては、高額な退去費用を請求してくることもあります。

この記事を読んでいる皆さんも、賃貸退去時に予想よりも高額な退去費用を請求されて、困っていることでしょう。

余りに高額だと支払えないこともありますが、実は交渉次第では減額されることもあるってご存じですか?

今回は退去費用が高くて払えない方向けに、安くするための対策法や支払わなかったときに起こるトラブルについて、徹底的に解説していきます。

退去費用を支払わないと最悪裁判沙汰になる

退去費用 裁判沙汰

独立行政法人国民生活センターによれば、下記の通り、年間約1万件以上の退去費用トラブルの苦情がよせられています。

年度相談件数
2018年12,499件
2019年11,797件
2020年11,156件

(引用:独立行政法人国民生活センター

つまり多くの賃貸契約者が、退去費用のトラブルに苦しんでいることになります。

中には退去費用に納得できずに、「支払いたくない!」と支払いを拒んでしまう方もいます。

しかし退去費用をそのまま支払わないままでいると、下記のトラブルに発展していきます。

①不動産会社・保証会社からの督促が来る

不動産会社や保障会社から請求された退去費用を支払わないままでいると、督促状が届くことになります。

黄色の紙など目立ちやすいはがきで最初は届きますが、その後は内容証明などよりきちんとした文書で届くようになります。

それでも無視を続けていると、個人では支払えないと判断されてさらなるトラブルに発展していきます。

②賃貸契約時の保証人に肩代わりの連絡が行く

賃貸契約時に補償人を立てている場合には、保証人に代わりに退去費用を支払うように通知が行きます。

自分だけの問題ではなくなり、両親や親せきに迷惑をかけることになります。

保証人に肩代わりの連絡が行くことで、親戚間の立場が悪くなってしまうこともあります。

③支払いに応じないと民事裁判になる

保証人を立てていない、保証人が支払いを拒んだ場合には、家庭裁判所によって支払いの訴訟が行われます。

不動産屋や保障会社に100%の落ち度がない限り、裁判には勝てません。

また裁判になってから改めて、請求が不当だと申し立てても、請求を無視し続けた経歴がありますので裁判を有利に進めるのは難しいでしょう。

退去費用が高くて支払えないときの対策法

疑問

原則として退去費用は入居時に支払った敷金で足りない分を支払うのが一般的ですので、10万円以上を超える退去費用を請求されることは、通常生活していればほぼあり得ません。

想像以上の退去費用を請求されてしまった場合に活用できる対策法は、以下の通りです。

  • 請求項目と原状回復のガイドラインを確認する
  • 大家さんに直接交渉してみる
  • 専門相談窓口に問い合わせてみる
  • 埒があかないなら弁護士に相談する
  • 支払金額を調整できないかを交渉する

以下で詳しく解説していきます。

請求項目と原状回復のガイドラインを確認する

賃貸入居時には不動産あるいは大家さんから、原状回復費用を貸主・借主どちらが負担するかを証明する契約書を受け取っているはずです。

内容を確認して、請求理由と照らし合わせて不自然に過剰請求されているところはないかチェックしてください。

実のところ、不動産会社や大家さんは、必要以上に原状回復費用を請求しようと大げさに記入していることもあります。

また請求項目を国土交通省住宅局が発行している、「原状回復のガイドライン」と照らし合わせてみてください。

ガイドラインに該当しない部分を請求されている場合は、過剰請求であるとして指摘できる可能性があります。

原状回復のガイドラインでは、住宅の箇所ごとに賃借人負担になる項目は、以下の通りです。

床(畳・フローリング・カーペット等)飲み物等をこぼしたことによるシミ・カビ/冷蔵庫下のサビ跡/引っ越し作業で生じたひっかき傷/フローリングの色落ち(雨の吹込みなど)
壁・天井(クロス等)台所の油汚れ/結露放置によるカビ・シミ/タバコ等のヤニ・におい/壁に開いた穴(下地ボードの張替が必要な程度のもの)、クーラー(賃借人所有)から水漏れして放置したために腐食した壁/天井に直接つけた照明器具の跡/落書き等の故意による毀損
建具(襖・柱など)ペットによる柱等のキズ・におい/落書き等の故意による毀損
設備その他ガスコンロ・換気扇等の油汚れ・すす、風呂・トイレ・洗面台の水垢・カビ等/手入れ不足による設備の毀損/鍵の紛失・破損による取り換え/戸建賃貸住宅の庭に生い茂った雑草

(引用:国土交通省原状回復のガイドライン

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大家さんに直接交渉してみる

大家さんに直接交渉してみるのも、一つの手です。

実は原状回復費用の請求を大家さんが管理会社に一任していることもあります。

つまり、大家さんが請求業務に関わっていないこともありますので、過剰請求が行われている事実を知らないこともあるのです。

アパートや大家さんが同居しているマンションにお住まいの方は、直接交渉してみる事をおすすめします。

ただしきちんと関係性が構築できていないと、対応してもらえないこともありますので、注意が必要です。

専門相談窓口に問い合わせてみる

請求の不当性に関して話し合っても、相手が譲らない場合には、消費者ホットラインや国民生活センターに相談してみる事をおすすめします。

専門の相談員が電話口で対応のアドバイスをしてくれます。

基本的に平日に対応してくれますので、少しでも不満があれば電話してみましょう。

また不動産会社や大家さんにも、専門の窓口に連絡していることを通知すると、牽制になることもあります。

埒があかないなら弁護士に相談する

どうしても埒があかないなら、弁護士に相談する手もあります。

不当な請求であることを訴え、相手に費用の減額を請求できます。

しかし弁護士に相談して裁判までに持っていくには、少なくとも10万以上はかかります。

またもしも裁判に負けてしまった場合には、訴訟費用まで自分で持つことになるため、少々リスクが高い方法であるといえます。

もしも費用が厳しい場合には、民事調停を起こすことも検討してみましょう。

民事調停は弁護士を挟まずに10万以下の退去費用請求で有れば、無料で対応してもらえます。

相手が応じなくても調停は行われますので、検討してみてはいかがでしょうか。

支払金額を調整できないかを交渉する

どうしても解決できない場合には、不動産業者や大家さんに対して、支払金額を調整できないかを交渉してみましょう。

分割払いで対応してもらえる場合もあります。

相手側も支払われないよりはましと考えますから、支払金額を調整に応じてくれる可能性は非常に高いです。

賃貸の退去費用を抑える4つの対策法

現在入居中で、将来の退去時の費用が高くなるのを避けたい方は、下記の4つの対策法を実践してみてください。

敷金ありの物件を選ぶ

物件選びの時は、少し高くても敷金有の物件を選ぶようにしましょう。

最近では入居費用を安くするために敷金礼金無しの物件が増えていますが、上述した通り敷金は退去費用の一部になるお金です。

入居時にもお金はかかりますが、退去時には退去費用だけではなく新居の入居費用も掛かりますので負担は大きいです。

敷金有の物件を選んでおけば、きれいな状態で使用していれば返金される場合もあります。

最初をケチらずに、ある程度は支払うようにしましょう。

入居後はすぐに損害箇所の撮影をしておく

入居後すぐに損害箇所の撮影をしておくことも、忘れないようにしましょう。

入居後には不動産会社から現況確認書の記入を求められますが、記入箇所の枠が狭すぎてうまく状況を説明できないことも多いです。

損害箇所の撮影をしておくことで、視覚的な証明が得られますので、不動産会社との間に証明できます。

定期的に掃除をしてキレイな状態に保つ

原状回復のガイドラインにもあるように、定期的に掃除をせずに破損・汚損箇所が生じていた場合に請求対象になることが多いです。

忙しくても週に1回は掃除をして、キレイな状態に保つようにしましょう。

ただし注意したいのは、掃除に使用できる洗剤の特性を見極めることが重要です。

カビキラーをステンレスで使用してしまうと、サビの原因になってしまいます。

掃除前に利用できる洗剤をよく確認して、破損・汚損が生じないように自分でも気を付けましょう。

契約前に不動産と結んだ特約を確認する

契約前に不動産と結んだ特約を確認しておくことも、重要です。

原状回復のガイドラインに規定されていることでも、契約時に特約と称して借主である皆さんの負担分を定めている場合もあります。

契約書を確認して、特約の規約事項を良く読み返してみましょう。

退去費用が高かったらまずは不動産屋に確認を!

契約

いかがでしたか?

賃貸退去時の退去費用は、不動産会社や大家さんの対応によっては、過剰請求されてしまうこともあります。

少しでも高いときづいたら、すぐに問い合わせるか、専門の相談窓口に確認してみてください。

また日ごろから丁寧に部屋を扱っていれば、高額な退去費用の請求を防ぐこともできます。

退去費用が払えなくなる前に、きちんと部屋の管理を行うことを念頭に入れながら、次の部屋では生活しましょうね。

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